日本台湾学会第16回学術大会第4分科会にあわせて、台湾から作家の阮慶岳氏をお招きし、以下のシンポジウムを開催いたします。どうぞご来場ください。
シ ン ポ ジ ウ ム:昨夜、不思議な人がそっと私に触れた
―作家・阮慶岳氏と名前のない愛を語る―
日 時:5月25日(日)午後14:00-17:30
場 所:キャンパス・イノベーションセンター東京4階408会議室
(東京工業大学田町キャンパス内広島大学東京オフィス)
講 演:阮慶岳
昨夜、不思議な人がそっと私に触れた(昨夜,一個神祕人物輕觸了我)
報 告:橋本恭子(一橋大学特別研究員)
「同志文学」を書くこと/読むことの試み ― 欧米と東アジアの交点で阮慶岳に出会う
発 言:池上貞子(跡見学園女子大学) 白水紀子(横浜国立大学)
垂水千惠(横浜国立大学) 三須祐介(立命館大学) 山口守(日本大学)
通 訳:謝惠貞(帝京科学大学)
司 会:三木直大(広島大学)
阮慶岳氏は1957年、屏東生まれ。淡江大学建築学科を卒業後、ペンシルベニア大学で修士号をとり、アメリカでしばらく建築士として仕事をする。1990年に台北にもどり、建築事務所を開く。創作はアメリカ滞在中から開始。現在は、元智大学芸術與設計学系教授。『重見白橋』(2002)で巫永福文学賞、「東湖三部曲」のひとつ『凱旋高歌』(2004)で台北文学賞を受賞。短編小説集に『哭泣哭泣城(むせび泣く町)』(2002)『愛是無名山(名前のない愛)』(2009)など。『弱建築』(2006)『弱空間』(2012)など建築関係の著作も多い。陳芳明氏は阮慶岳文学について、その「テーマは愛と信仰と救済についてであり、邊縁人として生命の真実をみつめるものだ。阮慶岳は人並み外れた勇気をもって、個人の身体の秘密をあかし、異性愛も書けば、同性愛も書く。現在もなお彼を論じるものは多くはないが、彼が21世紀の重要作家であることは疑うべくもない」(『台湾新文学史』、2011)と評している。邦訳に橋本恭子訳「曾満足」(『牛王』3号、2005)三木直大訳「ハノイのハンサムボーイ」(台湾セクシュアル・マイノリティ文学3『小説集・新郎新〈夫〉』、作品社、2009)がある。
*科学研究費補助金基盤研究(C)「戒厳令解除と1990年代台湾文化の再編制―『島嶼邊縁』とその時代」
(代表・三木直大/連絡先 naomiki[at]hiroshima-u.ac.jp)